大きくなったら・・。
こんなことをしたい、あんな風になりたい。
漠然とでも子どもが自分の将来を考えて、夢を一生懸命に話す姿が大好きです。
大きくなったら、結婚するでしょう~、子どもが生まれるでしょう~、お家も建てるでしょう~、猫も飼うでしょう~、それからね、旅行もするでしょう~・・・と。
まぁ、それはそれはとてもたくさんの夢を語ってくれて、聞いている私も幸せな気持ちになります。
大きくなったら・・。
私はもう大人になってしまい、色んな現実を知り出しているので、悠長なことばかりも言ってられず、膨らみかけた彼女の夢をつい窄ませるような話題も振ってしまうのです。
いつもその度に反省をしているのですけれど。
大きくなったら・・。
今は、パティシエールに私はなりたい。
だって、自分でお料理できるんだもん。
素敵だよね、人の心を満たす仕事には大きな夢や喜びがあります。
そのためにはたくさんの努力をしなくてはいけないの。
砂糖や牛乳の分量、温度を間違えたら大変だから、今勉強するの。
感性を磨くの。
そしてそのお菓子はどんな風に工夫を凝らし、どんな思いで愛をこめて作り上げたのか、食べてくれる人に理解してもらえるように、言葉で分かりやすく説明し、ときには文章で表現したりもするの。
だから本を読んで言葉を知るし、作文もするの。
大きくなったら・・。
どんな大人になっているのかな。
午後は雲一つない夏空でした。
今日は七夕。
陽が沈んだら、夜空でも観察しますか。
みんなの夢が叶うといいな。
年の離れた上の子たちとのはっきりとした違いは、私の心の中に"あそび"があること。
ゆとり・・と表現するには少し異なるのですけれど、心の糸がピンと張り詰めてはいないのです。
いつだったか、上の姉様たちに、こんなことを言われました。
「選択の幅を、妹にはもっと持たせてあげた方がよい。私たちはこれで良いけれど、彼女にはもっと夢を、もっと自由を、もっと厳しさを。」
それは、母親目線の助言にも思えて、私はすぐさま全てを吸収してこの頃に至ります。
初めて、二回目、そして最後の子育て・・。
その時々で悔いる気持ちも喜びもあって、たくさんの思いを経験させてもらえる娘たちとの出会いには、本当に感謝しています。
大きくなったら。
私が今感じている思いを、彼女たちにも是非味わって欲しい。
絵に描いたようには生きられない人生。
山あり谷ありの毎日。
理想を求めつつも、現実は満更でもないと思えること。
誰かのために、精一杯生きてみようと感じられること。
足るを知りつつ、たくさんの価値観が世の中には存在すること。
後悔したら、次に活かして欲しいこと。
失敗もたくさんして欲しいこと。
人の心の痛みを、自分のことのように分かること。
でもね、最後は自分がどうしたいのか、胸に手を当ててよく考えて生きてみること。
私や彼の人生でもなく、自分の人生を歩んでいるわけだから。
5年後、10年後、20年後のあなたたちに私は会いたいです。
この手作りペンダントは、末っ子が幼稚園時代に制作してきたもの。
キッチンの吊戸棚取っ手に引っ掛けて、水場の守り神にしています。
どんな時も、子どもたちの夢を応援してあげたい。
七夕に‥そんなことを思い、幸せを願っています。