高校時代は茶道に没頭した毎日です。
少し蒸し暑くなる梅雨時期は、校舎中庭で野点(のだて)を楽しみました。
茶室での普段稽古は、基礎的な動きを繰り返し練習します。
茶をもてなす亭主になりきったり、客になれば、席入りからの諸々作法を覚えました。
いつも楽しみなのは、口の中でほろほろ溶ける干菓子(ひがし)が準備されること。
美味しいものを大切に抱えて、着物姿の先生が教えに来てくださいます。
蝉の鳴く暑い夏も、お釜の湯で窓硝子が白くなる寒い冬も、本当にいつも変わらずに。
御年を確認したわけではないけれど、当時、おそらく還暦前後。
あれから、25年ほどの月日が流れても、先生は時々連絡をくださいます。
昨年の秋、“お茶に遊ぶ「霜月の月釜」”の招待状が届きました。
男女共同参画の日の事業と同じ日だったので、お茶会へはやむなく不参加。
でも、なぜかすっきりしない日が続いたのです。
(今会わないと、後々後悔するかも・・。)
考えるよりも先に心が動いて、当日の朝ご挨拶のみ伺いました。
昨日の桜餅をのせた懐紙(清昌堂やました)は、その時いただいたお心遣いです。
「この機会を一生に一度のものとして、お点前をなさい。」
厳しさの裏側にある先生の優しさを、当時はよく知ることが出来ませんでした。
大人になった今、「一期一会」の意味がよくわかります。
茶の湯以外でも、先生ご自身の色々な価値観に触れて“心の作法”も教えていただきました。
「お子さんたちに、会いたかったわ。」
娘たちのことをいつも気にかけてくれるので、また遊びに伺おうかと思います。
いつまでも、いつまでもお元気でいて欲しいです。
0 件のコメント:
コメントを投稿