2016.9月号(No.88)のこどもたっちコラムです。
十五夜が過ぎて秋彼岸のあたりになると、野花の可憐な揺れ具合とこっくりとした色味の花が気になりはじめます。
幼い頃は道端に生えているエノコログサ(俗称:猫じゃらし)を引き抜いて、友達とくすぐり合いながら下校したり、ふわふわとした手触りと徐々に紅に色付くコキア(ほうき草)に目も心も奪われたりしたものでした。
大人になって魅了された秋花は、ワインレッド(赤紫)よりも茶色味が強くて落ち着きのあるチョコレートコスモス。
そのブルゴーニュワインのような色味が“バーガンディ”と表現されることを知り、種類によっては微かにチョコレートの香りがするのでますます好きになりました。
今回は手持ちの籠(パニエ)に自然的な花のあしらいです。
“バーガンディ”から繋がる花材は、長い穂がシックなファウンテングラスやスカビオサ。
小花も取り入れて動きを出した花籠は、全てアーティフィシャルフラワーなので、本格的な秋の到来まで枯れることを気にせずに飾れます。
完成後は仕事場の片隅へ運びました。
目に留める人の心に、初秋の悦びが訪れますように。
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