母の梅よりも先に花を付けた、夫の「南高梅」。
早くきてごらん!と嬉しそうに声をかける姿に、本当にこの人は「梅」が好きなのだなぁとつくづく思うのです。
結婚したての頃、ぷっくりとした南高梅を買ってきては、一つひとつ丁寧に拭き取って自家製梅酒を作り始めました。
それから、ゆとりのある年は時期になると楽しそうに仕込み出すので、いつの間にか私までも彼の梅エキスや梅酒を心待ちにしてしまいます。
二年前にいよいよ南高梅の苗木を購入しましたが、果たして実を結ぶかしら。
今年はたくさん花を持ったので、記念に一枚!
まだ背丈は1mぐらい。
とにかく素敵な樹形にするには、徒長枝をいずれは剪定しなくはならないし、そうしなければ彼の望む実もつくことはないだろうな・・。
たくさん出始めた若枝をぼんやり眺めた先の思いは、その手間のこと(笑)。
梅の隣にはさくらんぼの低木があって、やはりそれも彼が勝手に植えたものなのです。
まぁ、果実系は実をつける姿も楽しみだし、それを小鳥が啄みにやってきて、こっそり逃げていく姿を見るのも心が和みますけれど、ね。
そんな風に、彼が“何か”を買ってきて植えては、いつも心の中で一人呟くのです(笑)。
桜よりも、長く楽しめる梅。
寒さの中、百花に先駆けてぽっと花を付け、香り立ち、しばらくは美しく咲き続けるのだから、私はこの花に欠点など思い浮かびもせず・・。
あの神童と称された菅原道真公が梅をこよなく愛していたことは有名ですが、彼が時の左大臣 藤原時平の政略に人生を狂わされ、左遷されてもなお皇室と国の平穏無事を祈り、身の潔白を証明するのに真心で向き合った晩年を思うと、ぎゅっと胸が切なくなります。
美しい梅の花は、彼の心の拠り所だったのかな。
南高梅の足もとには、すでに開いた花がありました。
白梅を見て、思う人の心は様々です。
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